11月19日(日):「瀬戸の教育 市民フォーラム トークショー」藤田選手出演の模様
 11月19日(日)、愛知県瀬戸市にて開催された「瀬戸の教育 市民フォーラム トークショー」(主催:瀬戸市教育委員会)に藤田俊哉選手が出演しました。
 瀬戸市文化センター文化ホールにて行われた当イベントでは、司会にスポーツジャーナリスト・中西哲生氏をむかえ、藤田選手と2人での「サッカーにかける夢」と題されたトークショーが行われました。
 以前、プライベートで陶芸に挑戦したこともあるという藤田選手、瀬戸市へ来るのは今回で3回目となったそうです。
 司会の中西氏は名古屋市生まれ、また中西氏の弟と藤田選手は同級生として高校時代には東海選抜チームでともに戦ったりと、よく知る間柄の2人のトークショーは、軽快なテンポで進みました。
【中西哲生氏(以下、中西氏)】
まず最初に昨日の浦和戦勝利、おめでとうございます。(会場からも大きな拍手)
【藤田俊哉選手(以下、藤田選手)】
ありがとうございます。このイベントの話をもらった時からスケジュールを見て浦和戦の翌日だという事はわかっていましたし、どういう形でこの日をむかえるのか、いろいろと考えていました。でも、無事試合に勝って今日ここへ来る事ができて良かったです。
【中西氏】
昨日の試合は浦和サポーターも多かったようですが?
【藤田選手】
うーん、向こうも赤ですからね、どこからどこまでが名古屋で浦和なのかとかは気にしませんでしたが、沢山のサポーターで、大きな試合をやっているんだなとは感じていましたし、とても楽しかったです。
【中西氏】
翌日にイベントが控えていると怪我とかも心配するのでは?
【藤田選手】
なので昨日は早めに交代しました(笑)。
【中西氏】
現在リーグ戦首位の浦和と戦ってみての感想は?
【藤田選手】
やっぱり強かったですね。グランパスはシュートを3本しか打てませんでしたし。それでも、サッカーは何が起こるかわからないスポーツなんだと言う事をあらためて実感しました。ボクシングとかみたいに判定勝ちのないスポーツで良かったです(笑)。

【中西氏】
それでは、藤田選手から見ての今シーズンここまでを振り返ってみてください。
【藤田選手】
シーズン序盤はつまずいてしまいましたが、夏を過ぎたあたりからは結果もついてくるようになりました。残り試合の結果次第では7位に食い込む事も可能な順位です。ちょっと寂しい結果ですが、それでも今できる事は全てやりたいですね。
【中西氏】
僕から見ていて今のグランパスは、Jリーグへ上がってきたころのジュビロと似ているようにも見えますが?
【藤田選手】
そうですね、94年頃のジュビロは若い選手が多く、オフト監督の下、勝ったり負けたりと不安定な戦いを続けていましたし、そのあたりは今のグランパスと似ているかもしれませんね。今のグランパスには才能のある若い選手も多くいますし、そのあたりも似た状況だと思います。ここからは、若い選手達が何を目指すかが重要になってきます。海外でのプレーを目指したり、日本代表を目指したり。そう言った目標をもってプレーを続ける事が、チームのパワーにもなります。
【中西氏】
グランパスの若い選手は藤田選手から見て、どう思います?
【藤田選手】
良い子、そしておとなしい子が多いですね。まあ僕が35歳でアキちゃん(秋田選手)が36歳、1番若い選手達は18歳でちょうど半分ですからね(笑)、それは向こうからは話しかけにくいでしょうから、僕らの方から話しかけるようにしています。でも、特に年上という感覚では無く、友達みたいな感覚で話していますよ。そして、その中で僕が13年間プロとしてやってきた経験を若い子らに伝えることができれば良いな、なんて思っています。
【中西氏】
藤田選手は大学を卒業してからプロ生活をスタートしましたが、その事について聞かせて下さい。
【藤田選手】
僕らが高校生の頃はプロリーグなんてありませんでしたし、高校を出てもサッカーを続けるのなら、大学へ進むというのが普通の時代でした。学生時代は、、、もう少ししっかり勉強もしておけば良かったって今になって思いますね(笑)。
【中西氏】
僕も大学では経済学を専攻していたのですが、もっとしっかり勉強しておけばよかったと思いますね。
【藤田選手】
サンデーモーニングでいろんな質問に答えられるためにもね(笑)。
【中西氏】
あの番組、台本とかが全くなく、司会の関口さんが突然話題を振ってくるんですコワイんですよね(笑)。
【藤田選手】
あと、スポーツのあのコーナー。ああいう番組でサッカーの枠がもっと大きくなって、着物を着たおじさん2人が「渇!」とかやってくれる時代にならないかな、なんて思いながら見てますよ(笑)。
【中西氏】
話題を変えまして今年はサッカー界ではW杯がありました。日本代表として一緒に戦ったこともある藤田選手からみて、大会での日本代表の印象は?
【藤田選手】
うーん、もう少し良い成績を収められたんじゃないかなとは思いますね、一緒に戦った仲間達ですから。ただ、初戦・オーストラリアとの試合残り10分で、日本にとっての大会結果が決まってしまったんじゃないかという思いです。また、アウェイの地でヨーロッパや南米の強いチームと戦う事の難しさを思い出さされました。2002年に日韓で開催された事で、すこし感覚がズレていたのかもしれません。
【中西氏】
02年の大会で決勝トーナメントに出場し、日本代表は大きく成長しました。しかしながら、その事で今大会も勝てるという気持ちがあったようにも思いますが。
【藤田選手】
メディアとかも含め、予選突破は当たり前、みたいな空気はありましたね。
【中西氏】
僕は大会前から日本の予選突破は33%だと話してきました。同グループではブラジルが大きく抜け、残り1枠を日本を含めた3カ国が競うという意味でね。ただ、厳しい意見を言う事の難しさも痛感しました。自国開催となった02年大会では比較的有利な組合せで戦えましたが、06年大会は違うんだという事を話していたのですが、それでも全体的に楽観論はありましたね。
【藤田選手】
初戦で戦ったオーストラリアなんて、どう見ても強いチームでしたよね。メンバーをみても、世界的なリーグで戦う選手がスタメンに何人もいました。日本人も最近海外へ出てプレーをするようになりましたが、それでも世界のトップリーグでレギュラーをはれる選手はまだ少ないのが現状です。オーストラリアでサッカーというイメージは少ないかもしれませんが、今では世界的にみても強豪だと考えて良いんじゃないでしょうか。
【中西氏】
オーストラリア人がヨーロッパのリーグで通用するのは英語圏だという事もあると思います。そして藤田選手自身はかつてオランダリーグでもプレーした経験がありますが、その時は言葉の問題とかはどうだったのでしょうか?
【藤田選手】
オランダの人たちも英語は話せますが、僕の英語では通じない事のほうが多かったですね。でも、あまり気にせず、身振り手振りなどでぶつかっていくしかないと思っていました。
【中西氏】
藤田選手はそういう事が好きですよね(笑)。
【藤田選手】
だって、例えば今日ここにいる皆さんが英語やオランダ語しか通じない状況なんですよ。そうなるともう自分からぶつかっていくしかありません。チームでのミーティングとかでも、最初は全く分かりませんでした。1つだけわかったのは、自分の名前が呼ばれれば、その試合スタメンなんだなって事でした(笑)。でも人間、思い切って話してみればなんとか通じるものなんですよね。

【中西氏】
日本代表のオシム監督についてのイメージは?
【藤田選手】
まず最初にコワイ、そして体が大きいよね(笑)。あとは会見とかでの言い回しが面白いし、あまのじゃくな性格なんだなって感じています。
【中西氏】
本音を言わないところなんて、あまのじゃくっぽいですね。
【藤田選手】
あと戦略家って感じもします。
【中西氏】
あまのじゃくではないのですが、戦略家という部分では、かつて名古屋を率いたベンゲル監督とも似ていますね。ベンゲル監督も全ての選手に対して、試合に出る、出られないという明確な理由を持っていました。

【中西氏】
サッカーには国際交流という側面もありますが、名古屋には現在スピラール選手、ヨンセン選手、そして金選手と3人の外国人プレーヤーがいます。彼らについての話を聞かせて下さい。
【藤田選手】
スピラールはすごく日本語がうまくなりました。あとバスの中での座り位置についても、先輩が窓側で後輩が内側とか、日本の文化を理解しています(笑)。ヨンセンも少しずつ日本語を覚えてきています。2人はうどんをすする事もできるんですよ。普通外国人は麺(ヌードル)をすするという食べ方はしないのですが、それが日本式なのならと練習してできるようになりました。金くんもやってるんですが、まだうまくすする事はできないんですよね。
【中西氏】
今回のトークテーマは「サッカーにかける夢」という事ですが、藤田選手の今の夢を聞かせて下さい。
【藤田選手】
これからもずっとサッカーを続けられる事ですね。静岡で生まれ育った僕は、小さなころから将来はサッカー選手になる事が夢というか、当然のように思っていました。その後プロになって国内で優勝したり海外でプレーしたり、そして日本代表としてもプレーしたりと自分でもビックリするくらい上手くいった面もありますが、結局は、小さなころボールを蹴るのが楽しくてしょうがなかったように、35歳になった今でもそういう気持ちを持ってボールを蹴り続けていたいですね。
【中西氏】
僕はプロを引退してから今のようにスポーツジャーナリストとしてサッカーをメインにみているのですが、やっぱり生きているうちに1度で良いので、日本代表がW杯で優勝するところをみる事が夢です。それでも、今はこうやって代表がみんなの関心の中心にありますが、いつかは代表よりもクラブチームのほうがみんなの関心になるはずだとも思っています。

 トークショーに続き、ステージ上では事前に選ばれた小中学生4人と藤田選手、中西氏によるデモンストレーション&実技指導が行われました。リフティングの披露を求められた藤田選手は「今日は革靴履いてきちゃったんで上手くできるかな〜。」なんて前置きをしながらも、しっかりとプロの技を披露していました。
 約1時間のステージとなりましたが、2人のトークと技を、イベントに参加された方々にもお楽しみいただけたのではないでしょうか。