記者会見: 2010年7月の記事

田中マルクス闘莉王選手 帰国報告会見

7月15日(木)の午前練習後、トヨタスポーツセンター内会議室で「2010 FIFAワールドカップ南アフリカ」に出場した田中マルクス闘莉王選手の帰国報告会見が行われました。

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田中マルクス闘莉王選手コメント

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今日はお忙しい中集まって頂き、ありがとうございます。本当は代表選手と一緒に日本へ帰る予定だったのですが、急な事で、父具合が悪くなり別で帰る事になりました。非常に申し訳なく思っています。

─久しぶりに名古屋へ帰りチームメイトの顔を見られ、落ち着きましたか?

そうですね。何日か遅れて帰った事もあり、なかなかみんなの顔が見れず寂しい日が続いていたのですが、相変わらず元気な仲間達を見て、少し元気をもらえた気がします。

─ストイコビッチ監督と話されたようですが、W杯を戦った経験のある者同士、どのようなお話をされましたか?

監督もいろいろな経験から、いろいろな良い話をしてくれました。前向きになれるような話ばかりでした。いろいろな経験をした分、僕に伝えようとしてくれた事を感じました。

─週末にはJリーグで大宮戦が控えていますが、闘莉王選手のフィジカル面やメンタル面の準備は出来ていますか?

気候の問題もあり昨日日本に着いたばかりなので、状態は正直なところ100%ではありません。「チームのために出来ることをやります」と監督に伝えたので、どうするかは明日話し合って決めたいと思います。

─初めてW杯に出場され4試合を戦われました。目標のベスト4には届きませんでしたが、戦いを終えた今の気持ちは?

自分の中ではまだ整理が付いていません。自分が夢見た舞台だったので、思い切ってやれた事が非常に良かったという印象は残っています。いろいろな逆風の中でW杯に入り、初めはなかなか期待されない状況でしたが、みんな一丸となりやっていく中で、日本のサポーターも"やれるのではないか"という雰囲気になりました。チームとして非常に良い大会になったと思いますし、今後に繋がるような戦いだったと思います。

─ディフェンス面では世界からとても高い評価を得られたようですが?

もともとやられるようなディフェンスはしていなかったと思いますし、さらに守備的な戦いだったと思っていますので、失点されるような感覚はそれほどありませんでした。ただ、サッカーは"失点しなければ勝てる"というスポーツではありませんので、点を取らなければ勝てないということが実感出来たと思います。みんなが一丸となれた事が、結果に繋がったのだと思います。

─出場された4試合の中で、特に印象に残っている試合は?

カメルーン戦だと思いますね。ずっとキーポイントだとは思っていたのですが、そこで1対0で勝てて良いスタートを切れたと思いますし、みんなが自信を持ってプレー出来る事に繋がりました。初戦は非常に大切だったのだな、という気がしました。

─パラグアイとの試合でPK戦が行われた時、最後(5番目)は闘莉王選手が蹴る予定だったようですが、蹴らずに終わってしまいました。悔しい思いはありますか?

"蹴って勝ってみんなで喜ぶ"という事が一番だったのですが・・・。僕らが良くなかったというよりも、相手は非常に落ち着いてPKを蹴っていたという印象を後ろで感じていました。あのようなPK戦では、どちらに勝敗が傾くか分かりません。日本もみんな落ち着いて蹴っていたと思うのですが、PK戦はなかなか難しいことで有名ですから。悔いの残らない戦いぶりは印象に残っています。良かったと思います。

─この大会を通して学んだことや、成長したことはどのような事でしょうか?

今まで通り、戦い方を変えた事はありません。一戦一戦思い切って一生懸命走って、ベストを尽くすだけのやり方は本大会でもやり通せたと思います。僕がいつも言っている事なのですが、W杯には2つの"面"があります。"良い面"と"悪い面"があると。非常にモチベーションの高い大会ですが、終わった時にとてもがっかりするような面もあります。自分にとっては、本当に素晴らしい大会だな、本当に出て良かったな、という大会になりました。4年間頑張ってあのピッチへ立った事、日本人としてあのピッチへ立って思い切ってサッカーをやれた事は、自分の中で誇りに思います。

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─あのような大会が終わり、達成感からモチベーションが上がらず、"燃え尽きた"という状態になる選手もいるかと思いますが、今後の事は考えられますか?

正直なところ、自分の中で一番大切なものは家族だと思い続けてきました。父が苦しんでいる状態を見ると、本当にサッカーをやめようとも思いました。けれど、もう一度父と話し、「もう一回頑張ってこい!」と言ってくれたので。僕もプロとしてやらなければならない事がありますし、自分の人生の中で良い事ばかりだった訳ではありません。非常に良いW杯を経験した後に、非常に落ち込むような事になり・・・やはり自分らしい生き方だな、神様がいろいろな試練を与えてくれているんだな、と思った日々でした。本当に、自分が思い切ってサッカーを出来ないようであれば、僕は止めるつもりでいますし、中途半端な気持ちではサッカーに対して失礼だと思っていますから。これからもしっかりと出来るかどうか、思い切ってやれるかどうか、仲間やサポーター、スタッフ、サッカーを愛するみなさんに失礼の無いようなプレーが出来るかどうか確かめた上で、やっていきたいと思います。

─4年後にはブラジルでのW杯がありますが、そこへ向けての期待は?

僕は先の事が見えるような人ではないので、今日のことでいっぱいです。明日何をするのかという事も分かっていないので、そのような次のW杯の事は頭に入っていません。"サッカーで本当に一番になりたい"と思い切って出来るかどうか、本当にサッカー魂が自分の中で燃え続けているかどうか、それにぶつかって行くだけの事しか考えていません。あまり先の事を考える余裕は無いですね。

─日本代表選手の帰国会見で、FC東京の今野選手が"何か"をやったという話はご存じですか?

さっき楢崎さんからいろいろ聞いたのですが・・・。日本代表選手達が帰国した時に国内がどうなっていたのかも全く分からず、4試合頑張ったのですが、国内の様子も見られずにブラジルへ帰った事を悔しく思います。盛り上がっていたというニュースはいろいろな人から聞いたのですが、実際には映像も全く見ていないので・・・全く分かりません。試合に出ている人達だけでなく、サポートの面でいろいろな人が関わってくれたので、そのような人達が幸せな気持ちになれたら良いのではないかなと思います。

─代表選手・サポートメンバー・スタッフ、W杯を共に戦った仲間は、闘莉王選手にとってどんな存在でしょうか?

"あと2~3試合はやりたかったな"と言える、本当に良いチームだったと改めて思います。1ヶ月以上も一緒にいるとストレスがたまる事もあるのですが、全くそのような事がありませんでした。顔を見るとお互いが元気づけられるような、そんなチームだった事は誰にとっても言えると思います。試合に出たメンバーだけでなく出ていない人達も、本当にチームが勝つために雰囲気を盛り上げ、考えられないくらいサポートをしてくれました。だから一丸となる事が出来、本当のチームだったんだ、良いチームだったんだなって。これからはみんな、いろんな道を走って行くのでなかなか集まれないと思いますが、23人の選手にスタッフも含め、サポーターのみなさんの心には、そのチームのイメージが残っているのではないかと思います。

─監督から前向きな言葉をかけて頂いたようですが?

監督も家族の例を出して話をしてくれました。人生は仕事が上手く行くときは何かの穴は必ずあるんだという話で、サッカーを分かっている人だなと思いました。非常に分かりやすく「これからも頑張らなければならない」という事を言ってくれました。心強いメッセージでした。

─ベスト16という成績で満足もあると思われますが?

パラグアイ戦の前に岡田監督が言っていた事を、まるで昨日の事のように思い出せます。"自分達が生きている中でベスト8になるチャンスが回ってくるかどうか"という事を説明してくれました。あの時、ミーティングで座っていた選手がこれからチャレンジし、それを果たせるかどうかを考えてみると・・・そう簡単には出来ないと思いました。だからこそ、あの時、もう一歩踏み出したかったです。もう一日あのチームで長くいたかった、そういう大会でした。納得はしますが、まだ満足は・・・"もう一歩行けたのでは?"というチームでしたので、非常に悔しい思いですね。

─大舞台の戦いが終わり、今度は名古屋のチームでの戦いが待っています。サポーターへのメッセージは?

僕は名古屋の選手です。本当に誇りに思えるような戦いをしなければならないと実感しています。僕はW杯だろうと名古屋の親善試合だろうと、今までやっていた気持ちは一つも変わっていません。だからこそ、その気持ちでやれるように、みんなに「闘莉王が来て良かったな」と思われるような試合を目指して、頑張っていきたいと思います。

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