試合前
日が陰り、涼しい風が漂い始めた名古屋市瑞穂陸上競技場。2010Jリーグヤマザキナビスコカップ予選第7節は、ホーム瑞穂へアルビレックス新潟を迎えて行われる。
この試合、カード累積のため出場停止の増川に代わり、竹内がセンターバックとして、今シーズン初めてスターティングメンバーに名を連ねる。
前節、アウェイ仙台での引き分けで、予選グループ敗退の決まった名古屋。残念ながら消化試合となってしまった今節だが、もちろん選手達にそのような意識は無く、水曜日にも拘わらずスタジアムへ駆けつけてくれたサポーターへ勝利のプレゼントを、そして7月後半から再開されるJリーグに向け、嫌な流れを断ち切って中断期間を迎えるためにも、試合へのモチベーションは高いようだ。
その仙台戦、後半途中から出場し、高いテクニックによるタメで前線にリズムを作った三都主と花井の2人も今日のスターティングメンバーに名を連ねる。今シーズン、センターバックと中盤での出場を果たした花井だが、今日は彼が最も得意とする、3トップの後ろに位置する攻撃的なミッドフィルダーでのプレーが予想されるだけに、ゴールに繋がるプレーに期待したい。
試合前、ハーフコートに区切られたピッチを使ってウォームアップを行う選手達。ここ数日は真夏のように暑い日もあったが今日は涼しく、特にこの時間になってから風も出始めたため、試合コンディションとしては上々なようだ。試合はこのあと19時キックオフ、チームとして嫌な流れを断ち切る為にも、今日は"勝利"という結果を求めたい。
前半
スタジアム内のBGMが切り替わり、サポーターの注目か高まる中、両チームの選手がピッチへと姿を現す。
今日の名古屋、ゴールキーパーは高木。ディフェンスラインは右から田中、竹内、千代反田、阿部の4人。中盤では吉村とダニルソンが守備的ミッドフィルダーとして並び、その前に花井が。そしてゴール前中央の巻と小川、三都主による3トップでの4-3-3の布陣でのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって、左にエンドを取った名古屋ボールでキックオフ。
1分、名古屋陣内ハーフライン付近で吉村が倒され、フリーキックとなる。
2分、新潟中盤から前線への縦パスは、新潟・大島がオフサイドポジションにいたためプレーを続けられず、タッチラインを割る。
4分、阿部から右サイド高い位置の小川へと、大きくサイドをチェンジ。ここから小川がドリブルで仕掛けるが、ボールは相手ディフェンスに引っ掛かり奪われてしまう。
6分、新潟中盤でのパス繋ぎは、阿部がコースに入ってインターセプトを狙うが、ボールはタッチラインを割ってしまう。
8分、名古屋陣内左寄りでボールを受けた三都主が後ろから激しく削られ、フリーキックとなる。そのフリーキック、新潟ゴール前へと入れると、右サイドへ流れた花井が相手ディフェンダーとルーズボールを競り合うが、ボールはタッチラインへとクリアされる。
9分、名古屋左からの低いクロスに花井が新潟ゴール前へ飛び込むが、このボールは相手ディフェンダーに当たり、コーナーキックとなる。名古屋右からのコーナーキック、三都主が蹴ったボールは、中央で相手ディフェンダーにクリアされる。
10分、ディフェンスラインでボールを受けた吉村。パスコースを探すところを新潟・ミシェウに狙われるが、サイドへと蹴り出す。
11分、ハーフライン付近からの縦パスに新潟・チョが抜け出そうとするが、竹内が上手くコースを塞ぎ、高木がボールを抑える。
13分、前線で巻が落としたボールをダニルソン、さらに右サイドを上がる三都主の前へと狙うが、オールはタッチラインを割ってしまう。
14分、名古屋陣内左サイドで吉村が新潟・マルシオを倒し、フリーキックを与える。
静かな立ち上がりとなった序盤。両チームともここまでシュートは無く、中盤でのパスの繋がりに問題があるようだ。
16分、相手ペナルティエリア手前で花井が小さく落としたボールから、吉村が左サイドの小川の前へダイレクトにパスを狙うが、これは追い付く事が出来ずタッチラインを割ってしまう。
18分、名古屋陣内左でボールを受けた新潟・チョが中へのドリブルから右足でミドルシュートを狙うが、これは枠の右へと外れる。
【失点】
20分、千代反田からの中盤へのパスを新潟・ミシェウにカットされる。ここから名古屋ペナルティエリア内へと侵入するマルシオへとスルーパスが通り、タイミングを外したチップショットでのゴールを決められてしまう。
22分、新潟ゴール前中央左寄り、25m程度の位置でダニルソンが倒され、フリーキックを得る。
23分、このフリーキックを花井が右足で直接狙うが、抑えが効かず、ボールはクロスバーを越える。
24分、新潟ゴールキーパーからのゴールキックに新潟・チョが抜け出そうとするが、ディフェンスの竹内と交錯、ファールの判定となる。
25分、吉村からのパスを受けた小川。右サイドからのドリブル突破を狙うが、相手ディフェンスの足を蹴ってしまい、ファールを取られる。
26分、ハーフライン上で巻が新潟・本間に倒され、ファールの判定となる。
28分、新潟ディフェンスラインからキーパーに戻したボールへ三都主が詰めるが、ボールはクリアされる。
30分、ダニルソンからのパスを左サイド高い位置で受けた三都主。ドリブルから左足でカーブをかけたクロスを上げるが、ここは相手キーパーがキャッチ。
ディフェンスラインからのミスで先制ゴールを許してしまった名古屋。その後も危ない位置でのパスミスが何度か見られる。致命的な失点を許す前に、しっかりと立て直して欲しい。
32分、右サイド高い位置へ上がった田中からのクロス。これをゴール前中央で巻が受け、ターンしてから右足でのシュート。これが相手ディフェンスに当たり、コーナーキックとなる。名古屋右からのコーナーキック。三都主が蹴ったボールは相手ディフェンスに逆サイド方向へ、頭でクリアされてしまう。
33分、ハーフライン付近からドリブルで持ち上がった阿部から、相手ディフェンスラインの裏へスルーパス。これに花井が抜け出そうと狙うが、タイミングが合わず、ボールは相手キーパーにキャッチされてしまう。
35分、高木からのロングボールを、巻が頭で相手ペナルティエリア内へ落とす。このボールに小川が左から飛び込もうとするが、ボールは相手キーパーにクリアされてしまう。
36分、右サイド田中からのアーリークロス。これを巻がペナルティエリア内で、ディフェンスと競り合いながらヘディングシュートへ持ち込むが、しっかりとヒットする事が出来ずクロスバーを越える。
37分、ワンツーパスで右サイドを崩した新潟・中野がクロスを上げるが、これは阿部が頭でクリア。
38分、新潟右からのコーナーキック。名古屋ゴール前へのボールがディフェンスの間へ抜けヒヤリとするが、至近距離からのシュートはゴールライン上を守る阿部がクリアする。
39分、新潟・ミシェウに左サイドからペナルティエリア内へのドリブル突破を狙われるが、ダニルソンがコースを上手く塞ぎ、ボールはゴールラインを越える。
40分、新潟ペナルティエリア手前で新潟ディフェンスと巻がボールを競り合う。すると、こぼれたボールをダニルソンが上手く足に引っ掛けて拾い、左足で強烈なシュートを放つが、これは僅かに枠の右へと外れる。
42分、右サイドでスローインのボールを受けた三都主が、高い位置でボールをコントロール。これが相手ディフェンスに当たってゴールラインを割ったように見えたが、ゴールキックとなる。
43分、ダニルソンから右サイドへと大きく展開。田中のクロスが新潟ゴール前でこぼれ、左から走り込んだ小川が右足で強烈なシュートを放つが、これは右ゴールポストに当たりゴールならず。
45分、ハーフライン付近右で三都主がボールを奪い、少しのタメから右前へ上がる花井へスルーパスを狙うが、ここで相手ディフェンスと交錯しファールを取られてしまう。
(ロスタイム表示:2分)
ロスタイム1、新潟陣内左でボールを受けた阿部からのアーリークロス。これに中央で巻、ファーサイドから三都主の2人が飛び込むが、ボールには届かずゴールラインを割ってしまう。
ロスタイム2、名古屋陣内右、45m強から新潟のフリーキック。名古屋ゴール前へ入れたボールがこぼれるが、阿部がクリア。
ロスタイム3、自陣でボールを奪った名古屋。ダニルソンから左を上がる小川へとパスが通り、カウンターを仕掛け、巻をおとりに後方から走り込む三都主へと低いクロス。これを三都主が左足でダイレクトのシュートを狙うが、クロスバーを越える。
そして、ここで前半終了。
危険な位置でのパスミスから失点を許した名古屋だが、30分過ぎからは徐々にサイドからの攻撃と前への速いカウンターからチャンスを作り、ダニルソン、小川の惜しいシーンも見られた。後半、まずは同点に追い付き、試合をひっくり返したい。
後半
後半、エンドを替え、新潟ボールでキックオフ。
名古屋1、2人目交代:花井、三都主→ブルザノビッチ、マギヌン
1分、右サイドでボールを受けた小川がアーリクロスを放り込むが、これは相手キーパーがキャッチ。
3分、左サイドのマギヌンから新潟ゴール前へクロス。これを小川が左足で小さく落とし、ブルザノビッチが走り込むが、これはコースが合わずボールはクリアされてしまう。
4分、新潟左からのクロスに、逆サイドからエリア内へ侵入した新潟・マルシオにシュートを打たれる。これが枠を捉えるが、高木が反応、外へと弾き出す。
5分、阿部から右サイド小川へのパス。これを小川が頭で流し、バウンドの変化を田中が狙うが、ボールは相手ディフェンスにクリアされてしまう。
6分、田中からのアーリークロスに、吉村が新潟ペナルティエリア内まで走り込みヘディングで狙うが、相手ディフェンスと交錯しファールを取られてしまう。
7分、新潟左サイドから新潟・チョがドリブル突破を狙うが、田中が上手くコースを塞ぎ、ボールはゴールラインを割る。
8分、新潟右サイドから縦へのスルーパスに新潟・チョが抜け出すが、カバーに入った千代反田がスライディングでボールをタッチラインへとクリア。
10分、阿部からのスローインを受けたダニルソン。個人技で左サイド突破を狙うが、ボールのコントロールが落ち着かず、ゴールラインを割ってしまう。
新潟1人目交代:中野→内田
【失点】
11分、新潟左サイドからのドリブル、横方向へのパスにペナルティエリア手前へ後方から走り込んだ新潟・ミシェウにフリーでシュートを許してしまい、これが名古屋ゴールネットを揺らす。
13分、名古屋3人目交代:小川→杉本
2点差と苦しくなった名古屋。ストイコビッチ監督はここで早くも3枚目のカードとして杉本を3トップの一角で投入。
14分、阿部からの縦パスを、巻がマギヌンへ小さく落として繋ごうとするが、コースが合わず、ボールはタッチラインを割ってしまう。
15分、新潟左サイドからの縦へのパスは、阿部が足を出し、タッチラインへとクリア。
後半、同点ゴールを狙う時間帯にまさかの失点を喫し2点差と、後が無くなった名古屋。ホームへ駆けつけたサポーターの為にも、ゴールを決めて欲しい。
17分、ブルザノビッチからディフェンスライン左へ抜ける巻へスルーパスを狙うが、ここはオフサイドの判定となる。
18分、相手ディフェンスにボールを当てながらも、阿部が左サイドを突破。深い位置までえぐり、中央へのクロスを狙うが、これは相手ディフェンスに当たりタッチラインを割る。
19分、左サイド高い位置で阿部が倒されて得たフリーキック。これをマギヌンが蹴り、ファーサイドで竹内が頭で合わせるが、ボールは枠の右へと外れる。
20分、ダニルソンからのロングボールを右サイドで受けた杉本。ここから前へと蹴り出して突破を狙うが、相手ディフェンスを引っ張ってしまいファールの判定、イエローカードを受ける。
22分、新潟2人目交代:大島→小暮
新潟左サイドからマイナス方向へのパスを新潟・内田がフリーで合わせるが、これはディフェンスに当たり枠の右へ外れる。
24分、右サイド田中からのクロス。これを巻がゴール前中央で競り合い、こぼれたボールに反応した杉本が振り向きながらの体勢でシュートを放つが、クロスバーを越える。
26分、左でのワンツーパスから新潟・ミシェウが名古屋ゴール前へクロスを入れるが、このボールは田中が右足でクリアする。
27分、右サイドで田中、ブルザノビッチ、杉本と繋ぎ、新潟ゴール前へアーリークロスを放り込むが、相手キーパーにキャッチされてしまう。
29分、新潟陣内ハーフラインを越えた位置で吉村が相手パスをカット。さらにブルザノビッチ、杉本と繋ぎ、エリア手前45度の位置からシュートを狙うが、このボールは相手キーパーにキャッチされる。
30分、左サイドをコンビネーションで崩した新潟。名古屋ペナルティエリア内でマイナス方向のクロスを受けた新潟・ミシェウにフリーでシュートを打たれるが、高木が正面で体に当ててゴールを防ぐ。
依然としてゴールの無い名古屋。試合は残り15分、なんとしてもサポーターを納得させるゴールを決めて欲しい。
31分、カウンターから左サイドを上がった新潟・チョに、竹内と競り合いながらのシュートを許すが、これはクロスバーを大きく越える。
33分、新潟左サイドからエリア内へのスルーパスは、千代反田が左足でクリア。
新潟3人目交代:小林→三門
35分、ハーフラインまでディフェンスラインを上げ、ボールを繋ぐ名古屋。竹内から杉本への縦パスは、オフサイドの判定。
36分、名古屋陣内で新潟・マルシオ、ミシェウ、マルシオと細かく繋ぎ、左サイドを上がる新潟・内田へロングボールが送られるが、これはトラップでのコントロールが効かずタッチラインを割る。
37分、ハーフラインを超えた位置で、ダニルソンから前線へスルーパス。これに反応した杉本が斜めに走り、オフサイドの網をかいくぐって抜け出し、左足でシュート。これが相手キーパーに防がれ、こぼれ球を再度バイシクルシュートで狙うが、これも相手キーパーに抑えられてしまう。
40分、ハーフラインを越えた位置で巻が粘って、ボールを落とす。これを杉本がブルザノビッチへと狙うが、コースが合わずクリアされてしまう。
41分、田中からペナルティエリア内への浮き球パスを、後ろ向きの状態で受けたブルザノビッチ。そこからボールをコントロールして前へ向きシュートを放つが、枠の右へとはずれる。
42分、ダニルソンからのパスを受け、左サイドから中へと切れ込んだ杉本が右足でシュートを放つが、これは枠の左へと外れる。
44分、新潟ディフェンスラインからのクリアボールを竹内と新潟・チョが競り合うが、竹内が倒され、ファールの判定となる。
45分、新潟中盤でのパス回しをダニルソンがスライディングでカット。タッチライン際へこぼれたボールを阿部が全力で追うが、僅かに追い付く事が出来ず、タッチラインを割る。
(ロスタイム表示:3分)
ロスタイム1、名古屋ゴール前正面約30mから新潟・ミシェウのミドルシュートは、千代反田が体に当てて跳ね返す。
ロスタイム3、カウンターで左サイドから仕掛ける新潟。名古屋ゴール前での速いクロスに、ファーサイドの新潟・ミシェウをフリーにさせてしまうが、このシュートは枠の左へと外れる。
ロスタイム4、ボールを持ち上がった新潟・ミシェウから名古屋ゴール前へのパスは、誰も触らずゴールラインを割る。
そして、ここで試合終了。
なんとしても最終節で勝利を収めたかった名古屋だが、最後までゴールを決める事が出来ず、2010Jリーグヤマザキナビスコカップを未勝利で終えてしまった。
試合終了後記者会見
今日は良い試合をするために、一生懸命ハードに戦いました。しかしこの結果がチームの現実でした。新潟にとっては良い試合だったと思いますが、うちはチャンスを作ることが難しい試合でした。
この3試合では得点することが出来ませんでした。チャンスはある程度あったと思いますが、得点までが遠かったと思います。これがチームのクオリティの全てだと思います。あえて良かった事を挙げれば、これがグランパスの持っている"顔"では無かったことでしょう。
この大会を通してのダニルソン選手についてはいかがでしたか?
この大会で彼を信頼出来たと思います。今日も戦う気持ちを見せてくれていましたし、良かったと思います。彼のパフォーマンスにはとても満足しています。
今後、リーグ戦の再開に向け、この大会で出ていた選手達はどうしてゆくのでしょう?
あえて名前を挙げることは、私は好きではありません。ただ、何人かの選手は技術面でガッカリさせられました。戦術面を守れないのでは無く、技術的なところが出来ていなかったからです。
この大会では、私は何が出来て何が出来ないかの情報を得ることが出来ました。確かに、増川と中村を出場停止で欠き、金崎や代表4人もいない中では難しい事だと思いますし、2つ同じチームを作る事は出来ませんので、この結果は仕方がないのかも知れません。
技術面で劣っている中では、チャンスを作る事は難しいと思います。今日に限らず、他の試合でも、何度もパスミスからやられていたと思います。ただ、私はこの大会の結果にはガッカリしていません。なぜなら何が起こったかを知っているからです。クオリティが整っていない中で勝てなかった事には、サポーターの皆さんにも理解して欲しいと思います。
これから中断を挟み、古川でのキャンプを経てリーグ戦が再開しますが?
ナビスコを戦ったチームはテクニック面が欠けていました。このようなチームではリーグを戦っていくことはできませんので、選手たちには、まず頭の中をクリアにして欲しいと思います。
古川では、我々の持っているもの、戦術・スタイルをいっそう伸ばしてゆきたいと思います。そして、リーグ戦ではナビスコとは違ったものを見せられると思いますので、再開後の大宮戦を楽しみにしていて欲しいと思います。
今後、ハードにやってゆくためにも、我々グランパスを決定力のある、アグレッシブなチーム作りを、監督の仕事として、まじめに取り組みたいと思います。
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