試合前
午後6時20分、ゆっくりとした足取りで、GKの2人、楢崎と広野がピッチへと登場。チームが失点続きということもあり、彼らの責任は重大なだけに、サポーターの熱い声援に柔らかな表情を見せて応えるものの、今日は少し険しい様子を見せ、軽くスタンドへと一瞥をくれただけで、すぐに試合に向けての準備に取りかかる。
Jリーグは今日の京都戦から後半へと突入。前半戦が納得できる内容、結果ではなかっただけに、仕切り直しという意味でも、今日、勝つことには大きな意味がある。そのためにもGKという守備の要として、彼らの心中は決して穏やかではないだろう。前の選手が点を取ってくれることを信じて、今日は闘争心を剥き出しにした守護神・楢崎の好セーブが連発しそうだ。
午後6時30分、山口を先頭に選手達が登場。待ち侘びたサポーターからは、ようやくの選手登場に割れんばかりの拍手を送り届ける。長身のケネディも一際目立つ風貌で、選手の中に混じってリラックスした様子を見せながら現れた。ダヴィという"得点源"を失った今、彼に託されたものは相当に重いと思うが、それをプレッシャーではなく、大きな期待と受け取って、きっとサポーターを納得させるようなプレーを見せてくれることだろう。
期待のケネディーと共にアップをスタートさせた竹内に掛かる期待も、今日は大きい。東京との悔しい2連敗の中でも、小川と共に数少ない、"戦っていた"選手の1人。チームの決定力に物足りなさを感じる今だからこそ、彼の気迫が今のチームには一番欲しいもの。後半戦の名古屋の躍進の「鍵」となる選手の1人であることは間違いないだろう。
午後6時50分、闘志をみなぎらせた選手達は、むせかえるほどの湿度に汗を滴らせながら、ロッカールームへとしっかりとした足取りで向かっていった。
前半
後半戦折り返しの初戦となる、今日の京都との第18節。サポーターも再びチームが昨年の勢いを取り戻してくれるはずと、気合タップリの声援で名古屋の選手達を出迎える。
今日の先発メンバーは、GK守護神・楢崎、DFは、右から竹内・吉田・増川・阿部の4人。中盤は、右に小川、左にマギヌン、中央は山口と中村の2人。そして、FWは玉田と新加入の、期待のケネディーの2人。4-4-2の布陣でん臨む。
前半は左エンドの名古屋のキックオフでスタート。
1分、竹内からのリスタートのボールを、前線のケネディがスペースに落とす。これを追ったマギヌンだったが、ボールが先にラインの外へ。
2分、左からマギヌンのパスを受けたケネディ。縦に仕掛けようとするが、ここはDFが体を入れてしまい、中へと持ち込む前にクリアされてしまう。
4分、左に抜け出した玉田の落としたボールを、マギヌンが中へとクロスを狙ったが、これはDFの足が阻んでしまった。
6分、右に竹内のパスに抜け出した中村のクロスは、ニアのDFに弾かれてしまうが、左のCKのチャンスに。
7分、玉田のボールに、ニアで増川、中央でケネディが入り込むが、京都DFがクリアしてしまった。
8分、左のマギヌンのパスに勢い良く阿部が抜け出すと、速いクロスを放り込む。中央にケネディがタイミング良く走り込むが、前に出たGKが両手で捕らえてしまった。
10分、右からのCKのチャンス。玉田のボールに、遠いサイドにマギヌンが勢い良く飛び込むが、目の前でDFが弾き出してしまった。
11分、右から京都・渡邉が抜け出してくるが、阿部がしっかりと寄せて、ミスを誘った。
13分、左で下がって阿部のパスを、外へと叩いて玉田が上がっていこうとするが、DFと交錯し、前へと走る前に止められてしまった。
15分、山口の縦パスを小川がワンタッチで落として、これに中村が抜け出そうとしたが、ここはDFがコースを阻んでしまった。
17分、左からのCKのチャンス。しかし、玉田の入れたボールは、またしても誰も触れることは出来なかった。
19分、自陣からのロングボールを、ケネディが頭で後ろへと流すが、これは誰も反応することが出来ず。
20分、京都陣内右でのFKのチャンス。小川のボールを、遠いサイドの増川がヘディングシュートを打つが、ボールは大きく枠の上。
21分、左に抜け出した京都・柳沢がボールを落とす。これを京都・中谷が縦に上がりながら、ゴール前を狙って放り込んでくるが、阿部が落下点に入り込んで、ボールを自分達のものに。
22分、増川のパスを京都・安藤に奪われると、ゴール前に詰める柳沢へと繋いでくるが、ここはDF陣がしっかりと集中して、ボールを奪い取った。
23分、ゴール前にいた中村が、右のスペースへとボールを出す。これを竹内が鋭く入れると、中央へケネディが走り込む。しかし、ボールに触れる前にDFがカットしてしまった。
25分、右にマギヌンのパスに抜け出した竹内。ゴール前へとグラウンダーのボールを流しこむと、ニアでケネディが貰って反転しようとするが、ここは前を向かせて貰えず、味方へと戻すに終わった。
28分、京都陣内右深くでのスローイン。竹内がニアのケネディへと長いボールを入れると、今度はDFを背負いながらも反転しての右足シュートを放つ。しかし、これはクロスバーの上を抜けてしまった。
30分、左の阿部からのボールを前線でケネディが受けると、そのまま右へと展開させようとしたが、これはDFに読まれ、カットされてしまった。
32分、京都・ディエゴのシュートがこぼれたところを、中央で京都・佐藤が狙ってくるが、ここは山口が厳しく寄せて、正面で跳ね返す。
36分、右でケネディーが落としたボールを、中央で詰めた小川が積極的にシュートを打つ。これは止めようとしたDFに当たって、右からのCKのチャンスに。
37分、玉田が速いボールを蹴ると、一番遠いサイドに詰めていた吉田が頭でこれを狙う。しかし、ボールはその頭上を抜けてしまった。
38分、京都陣内深くやや左の位置でケネディが倒され、好位置でのFKのチャンスを手に入れる。
39分、これを玉田が狙い澄まして左足で蹴るが、DFの頭にコースを変えられてしまった。
40分、左からのCKのチャンス。小川のボールにゴール前へとケネディ、吉田、増川となだれ込むが、誰も触ることは出来ず。
41分、右深くでこぼれ球を拾った竹内。ゴール前へと放り込むと、GKの両手の上をいくケネディの頭がこれに合わせるが、枠を捕らえることは出来なかった。
【得点】
42分、右から中へと持ち込んだマギヌンのクロスボールに、中央へと走り込んだケネディがDFの前へと頭を入れ、これを京都ゴールに突き刺し、見事な来日初ゴールを早くも決める。
44分、右からのCKのチャンス。マギヌンの短く出したボールを山口が戻し、これを受けようと裏へと走るが、ボールが流れてしまい、クロスボールを上げることは出来なかった。
(ロスタイム2分)
ロスタイム1、京都陣内右でのFK。竹内が入れたボールを中村がワンタッチでケネディへと送ると、右足でのボレーシュートを狙うが、これはポスト左へ流れてしまった。
そして前半は、ケネディの鮮やかなヘディングシュートで、名古屋が京都をリードして終わる。
後半
エンド入れ替わり、後半は左エンドの京都のボールで試合再開。
京都1人目メンバー交代:安藤→豊田
1分、京都ゴール前の競り合いのボールを、ケネディが落としたところをマギヌンが狙うが、これは惜しくもオフサイドに。
2分、左からのCKのチャンス。小川のボールは、ニアで弾かれてしまった。
4分、右に流れていたマギヌンからの縦パスに、ケネディが抜け出そうとしたが、ここはDFが体を入れ、ボールに触れさせて貰えなかった。
5分、左から抜け出した阿部のクロスに、マギヌンがヘディングシュートを狙うが、これは僅かに高くバーの上を抜けてしまった。
6分、中央を京都・豊田が入り込んでこようとするが、これは中村と山口がしっかりと挟み込んでボールを奪った。
7分、右から裏へと玉田が抜け出し1対1になるが、これはオフサイドフラッグが上がってしまう。
8分、右の小川からのパスを、中央で玉田が、ワンタッチでスペースを狙ってパス。しかし、相手DFの反応が早く、奪われてしまった。
9分、右から持ち込んできた京都・角田。正面へと入り込んだところからシュートに来るが、ここは山口が体を入れてこれを阻止した。
10分、京都2人目メンバー交代:中谷→パウリーニョ
11分、ゴール正面からの玉田が強烈なシュート。これを京都GKが弾いたところをマギヌンが詰めるが、シュートしようとしたボールが流れてしまい、DFに奪われてしまった。
14分、中央を京都・パウリーニョが抜け出してこようとするが、ここは増川が鋭い反応を見せて、ボールをカット。
15分、右から中村が抜け出してくると、追走するマークを振り切って、深い位置から中へと切れ込んでくる。しかし、ゴールまで、あと少しというところでボールがラインを割ってしまった。
16分、ケネディの裏へのパスに、右からマギヌンが抜け出してくるが、もう少しのところでDFにカットされてしまう。
17分、右からのCKのチャンス。マギヌンのボールに、ファーポストで吉田が詰めるが、GKが取り抑えてしまった。
20分、京都陣内左深くで玉田が倒され、FKのチャンス。小川のボールに一気に5人がなだれ込むが、中央でDFにクリアされ、右からのCKに。マギヌンが入れたボールは、DFが外へと弾き出してしまった。
22分、左からマギヌンが小川のボールに入り込むと、シュートを放つが、これはDFに当たってしまう。さらにゴール前でルーズになったところを玉田がシュートを打つが、これは惜しくもポストの僅か右。
25分、パウリーニョが正面でキープしたところで、こぼれたボールを京都・ディエゴがシュートに来るが、これは精度を欠き、大きくゴールを越えていった。
26分、左から渡邉が入り込んでくと、竹内をかわして中を狙ってくるが、ここは吉田がしっかりと体を入れ、ボールを大きく跳ね返した。
27分、自陣中程やや左での京都のFK。パウリーニョの直接狙ったシュートは、ポストの右に流れ出た。
28分、右からパウリーニョが抜け出してくるが、トラップが流れたところを逃さず、飛び出した楢崎がボールをしっかりと抑えた。
29分、中央で豊田の落としたボールを、パウリーニョがヘディングシュートを狙ってくるが、これはポストの右。
30分、左の開いた位置からのマギヌンのクロスにケネディが飛び込むが、これはGKが早く、弾き出されてしまった。
31分、名古屋1人目メンバー交代:マギヌン→田中
32分、左からか角田の入れたボールは増川がカット。
33分、右からの京都のCK。ディエゴの入れたボールは、ニアサイドのケネディがしっかりと弾き出していった。
34分、右から田中が持ち込むと、深い位置で折り返したボールに小川が反応するが、シュートに行けず。
35分、ゴール前へと入り込んできたパウリーニョを楢崎が倒したとして、PKを京都に与えてしまう。
【失点】
36分、これを京都・パウリーニョ自らがゴール右へと決めてしまい、またしても名古屋は失点を許してしまう。
37分、京都ゴール正面で待ち構えるケネディに、中村のパスが繋がると、これをDFを背負いながらコントロールしようとするが、ボールに寄せたDFに奪われてしまった。
39分、右からのCKのチャンス。ケネディのドンピシャのタイミングで合わせたヘディングシュートが京都のゴールを襲うが、僅かに左に流れてしまった。
41分、左から阿部がDFをかわして、エリア内へと侵入を試みたところで倒されるが、これは相手のファウルではなかった。
42分、京都3人目メンバー交代:渡邉→シジクレイ
43分、左からパウリーニョが抜け出してこようとするが、ここは竹内が厳しくいって潰した。
(ロスタイム表示:4分)
ロスタイム1、左から玉田が持ち込んだボールを折り返すと、ゴール正面でこぼれたところをケネディがシュート。しかし、これは惜しくもGKの正面を衝いてしまった。
ロスタイム2、左からのCKのチャンス。小川のボールに正面でケネディが入り込むが、DFが先に弾き出してしまった。
ロスタイム3、右から田中の入れたクロスは、ケネディには届かず。
そして、京都・豊田にパスが入ったところを激しく寄せて竹内が奪ったところで、主審の長い笛が鳴ってしまい、名古屋は勝ち点3を取り逃がす引き分けが、スタジアムに大きく伝えられてしまった。
試合終了後記者会見
今日の試合、結果だけが悪かったと思います。サッカーとは時に奇妙な物で、勝ちに値するプレーをし、ハードワークから試合を支配していても、このような結果となる場合もある物です。今日は本当に勝ちたかったゲームでしたが、このような結果となってしまった事を今はまだ受け入れる事ができません。
ケネディ選手がデビュー戦でゴールも決めました。彼に対する今日の評価をお聞かせ下さい。
ゴールを決めましたし、しっかりとしたプレーを見せてくれました。世界中のどんな監督に聞いても、彼の今日のプレーには満足したと話すのではないでしょうか。 ただ、これはチーム全体としてなのですが、勝つ為に充分なプレーは出来なかったと思います。それでもケネディ個人のプレーはチームを助けてくれる存在であり、有能な選手だと思っています。また知性もあり、私の好む選手です。
結果は出ませんでしたが今日は久しぶりに、コンパクトなラインでパスも繋がるグランパスらしいサッカーが見られました。これもケネディ選手の加入がもたらした物なのでしょうか?
今日の試合、精神的にしっかりと準備が出来ていました。今シーズンの後半戦が今日から始まったのですが、我々としても新生グランパスが誕生したという事を見せられたと思います。このスタイルを今後もキープする必要がありますし、しっかりとハードワークをして1つ1つを戦いたいと思います。今日は結果こそ出ませんでしたが、我々の戦術、そしてコンビネーションは見せられたと思っています。シュートも我々の方が京都より多く打ったはずですし、我々がゲームをコントロールしていました。それでも先ほども話しましたが、サッカーとは奇妙な物で、しっかりとした戦いをしても、伴わない結果を出してしまう時もあります。
まだまだ苦しい状況は続き結果を出す事は簡単ではありません。それでも私は決して諦めません。グランパスにはクオリティの高い選手が揃っていると思っていますし、これからもベストを尽くします。今日は勝てるゲームを失ったのかもしれませんが、これは悲劇ではありません。サッカーでは勝つ時もあれば負ける時もあるものです。ただ、今日のグランパスが見せてくれたプレーをこれからも見たいと思います。
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