2009J1リーグ第6節:柏レイソルvs名古屋グランパス

最終更新日時

2009/04/24 18:55

AWAY GAME

日立柏サッカー場 4/18(土) 13:04キックオフ

試合前

午後12時20分、名古屋の選手がピッチへと駆け込んでくると、日立柏サッカー場が賑やかな雰囲気を迎える。しかもリーグ屈指の近さ・一体感を誇るこのスタジアム。まるで目の前で挙げているかのような、柏サポーターの繰り出してくる激しい怒号とブーイングは迫力満点だ。

名古屋の選手達が、一列になってスタンドに大きく手を振って挨拶を交わす。サポーターも声を揃えてこれに応え始め、選手達のモチベーションを高める役を引き受けることを誓う。

名古屋の選手に向け、1人1人の名前をコールする声援が飛ぶ中、選手達は早速アップをスタート。この後、豪州へと渡ってAFCチャンピオンズリーグを戦うこともあり、ベンチ入りしていない津田と新川も加わって、体を動かし始める。

ここ3試合勝ち星のない名古屋にとって今は勝利が喉から手が出るほど欲しいはず。選手達もそれは充分承知の上だ。ピッチでボールを動かす表情にも相当の気合いが伺える。今季『10番』を背負い、チームの攻撃の要となった小川も、自分がやらなければ、という強い責任感の現れか、今日はいつになく気持ちのこもった雰囲気を醸し出している。玉田という絶対的な選手を欠いた中では、FWダヴィを生かすも殺すも小川の活躍次第といっても良い。今日こそはチームの勝利を決める"決定的なパス"で柏DF陣を苦しめ、そして、チームの勝利に貢献して貰いたい。

12時45分、名古屋サポーターでぎっしりと埋まったアウェイスタンドの前で、いつものように短めのダッシュを繰り返してコンディションを落ち着かせた選手達は、次第に強くなり始めた日差しで、汗をたっぷりと浮かべながらピッチを後にした。

前半

すっかりとお馴染みとなった柏サポーターの試合前のパフォーマンスでスタジアムの雰囲気が和んだ後、打って変わって力の入った声援を見せて、スタジアムを引き締めると、いよいよ第6節のキックオフを迎える。1時、両チームのメンバーが入場。この日の名古屋は、上下白のアウェイユニフォームに身を包んで試合に臨む。

この日の名古屋の先発メンバーは、GK我らが守護神・楢崎、DFは、右から田中・バヤリッツァ・増川・阿部の4人。MFは、右に小川、左にマギヌン、一つ下がり目、ワンボランチの位置に吉村が入り、その前に中村と山口が並ぶ。FWはダヴィのワントップ。4-1-4-1の布陣だ。

1分、右に空いたスペースへと出たパスを柏・山根が狙ってくるが、追いつく前にボールがラインを割る。
3分、自陣左深くで柏・石川を倒し、柏にFKを与えてしまう。柏・ポポのグラウンダーのボールがゴール前でルーズになるが、吉村がいち早く反応、大きく蹴り出す。
5分、左を阿部がドリブルで仕掛けるが、柏DFの厳しい寄せに、縦への突破を阻止されてしまう。
6分、右からの柏のCK。ポポの蹴ったボールを、柏・藏川が正面でヘディングで合わせたボールは、大きくゴールを越える。
7分、左からのCKのチャンス。小川のボールをバヤリッツァが背後へと流すが、ファーポストへのボールには誰も詰めることが出来ず。
9分、ゴール前左よりの位置でボールを持って前を向いた柏・太田のシュートは、楢崎が難なく正面で捕らえる。
10分、右で田中の縦パスを受けたマギヌン。中へと入り込みながらゴール前へと早めのパスを入れたが、これは柏GKの正面。
11分、左に阿部の縦パスに抜け出した山口。深い位置からゴール前へとクロスボールを上げるが、これはダヴィが触るものの、強くミートすることが出来なかった。
12分、柏ゴール前で相手へのプレッシャーを中村が掛けて、ボールをルーズにさせる。これをダヴィがダイレクトでシュートを狙ったが、枠へは飛ばせず。
14分、右からの柏のCK。ポポの右足からのボールをニアで柏・菅沼が頭で合わせてくるが、ボールはクロスバーを越える。
15分、右で小川の落としたボールを拾った吉村。積極的にミドルシュートを放つが、これはボールが浮いてしまい、枠の上へ。

16分、中村の縦パスを小川が右に展開、田中の攻め上がりを期待するが、これはタイミングが合わず、ボールはタッチの外へ。
17分、中央で阿部からのパスを受けたマギヌンがスペースに落とす。このボールをダヴィがシュートを狙うが、これはDFの足に当たってしまい、前には飛ばず。
18分、柏陣内左中程でのFKのチャンス。小川のゴールに向かうボールが大きく弾んで、枠を捕らえたかと思われたが、これは柏GK・菅野が片手で外へ弾き出してしまった。
20分、柏陣内中程ゴールほぼ正面でのFKのチャンス。小川が横に流したボールを、マギヌンが意表を衝いてDFとGKの間へと狙って蹴り入れる。しかし、これは長すぎてしまい柏GKの下へ。
22分、左から斜めに入るパスに柏・李が入り込んでくるが、ここはボールに詰めた増川が奪い取る。
23分、右から入り込んだ田中がDFをかわして、左足からのシュートを放つ。しかし、これは柏GKの正面を衝いてしまった。
26分、自陣深く右での柏のFK。早いスタートからポポのボールへ、菅沼がニアでフリーに合わせたヘディングシュートはポスト左へ。
29分、吉村からのパスを右で受けた山口。ワンタッチで縦へと叩いて、小川を縦に走らせようとするが、これはDFに阻まれてしまう。

【得点】
31分、右から小川の入れたボールを、ゴール正面に走り込んだダヴィが頭で叩き込み、名古屋が待望の先制点を挙げる。
34分、柏陣内右深くへと狙ったロングボールをダヴィが競りに入るが、これはDFへのファウルを取られてしまった。
35分、右からの柏のCK。ポポのボールを、藏川が中央で頭で合わせてくるが、ここは全員が集中した守備を見せ、しっかりと跳ね返す。
36分、阿部の縦パスを小川が左に持ち上がると、柔らかいボールを上げるが、これは柏GKに捕らえられる。
37分、マギヌンからのDFの裏へのパスを、ダヴィが拾って仕掛けようとする。しかし、ペナルティエリア内で潰されてしまい、このチャンスは生かすことが出来なかった。
40分、右から中へとドリブルで侵入を見せた柏・李だったが、阿部と増川がしっかりとこれを挟み込むと、ボールを奪い取る。
42分、左で粘ってボールを奪った山口の縦パスに、マギヌンが上がる。しかし、先に詰めた柏・古賀にボールをクリアされてしまう。
(ロスタイム表示:2分)

ロスタイム1、左からマギヌンが仕掛けようとするが、ここは厳しい守備を見せた柏DFに潰されてしまい、ボールを奪われる。
ロスタイム2、右に抜け出してきた柏・ポポ。速いボールをゴール前へと斜めに蹴り入れてくるが、これは精度が低く、そのまま左へと流れ出ていった。

そして、前半はFWダヴィのゴールで上げた1点をしっかりと守って、名古屋がリードで終える。

後半

エンド入れ替わり、後半は左から攻め上がる名古屋。
名古屋1人目メンバー交代:中村→杉本
柏1人目メンバー交代:太田→大津

2分、相手のミスから右からのCKのチャンス。マギヌンの短く出したボールを、小川がゴール前へと蹴り入れる。しかし、これは詰めていたダヴィの前でDFがクリアしてしまう。
3分、柏陣内右中程ででのFK。マギヌンが長めに蹴ったボールは、柏GKが直接キャッチ。
4分、右からのクロスを逆サイドに詰めた菅沼に頭で折り返されると、中央に飛び込んだ李にヘディングシュートを許すが、これはクロスバーの僅か上へ外れる。
7分、自陣左深くで柏のFK。ポポの蹴ったボールが正面へと入ってくるが、これは阿部が頭で縦に弾き出す。
9分、柏・石川との競り合いで頭を打った吉村が、ピッチの外へと運び出される。
10分、自陣右深くでの柏のFK。ポポが蹴り入れてきたボールは、ニアサイドで跳ね返す。
11分、左から杉本が入り込もうとするが、ここは柏・古賀の寄せが厳しく、ボールを失ってしまう。

【失点】
14分、右からのパスを中で受けた柏・菅沼にミドルシュートを決められてしまい、同点に追いつかれてしまう。

16分、中央を柏・栗澤がドリブルで仕掛けてくる。これを山口がしっかりと捕まえて、ファウル覚悟で潰す。
17分、左の阿部からのロングボールに杉本が反応を見せるが、追いつくことは出来ず。
18分、中央でDFを背負いながら、ダヴィがスペースへと出す。このボールを小川が狙うが、DFがクリアしてしまった。
19分、右からのCKのチャンス。マギヌンの入れたボールがこぼれ出たところを、遠いサイドにいた山口がシュートを打つが、ボールは枠を越えてしまう。
20分、山口が左に上がりながら落としたボールを、中央で受けたダヴィ。左足でシュートを狙うが、これは枠を越えてしまった。
21分、柏2人目メンバー交代:大津→柳澤

22分、中央から右へと流れながら、ポポの放ったシュートは右のサイドネット。
23分、中央で相手パスをカットした田中。ダヴィに当てて、自ら入り込んでシュートを打つが、ボールはGKの正面を衝いてしまった。
24分、右でマギヌンがボールを落とし、これを持ち出した田中がクロス。中央に詰めた山口が右足でのボレーシュート放つが、これは惜しくもクロスバーの僅かに上。
26分、阿部が持ち上がると、DFの裏へと杉本を走らせようと蹴るが、このボールは柏GKの下へ。
28分、右から田中が鋭く入れたボールは柏DFが先に当てて、右のCKに。マギヌンが入れたボールに、ニアでバヤリッツァと増川が入り込むが、どちらも触ることは出来なかった。
30分、中央でシュートを放ってきた李のボールは、増川が正面で弾く。再度こぼれたところに詰めた菅沼にシュートを許してしまう。しかし、今度は楢崎がしっかりと正面で捕り押さえ、失点を逃れた。
33分、柏3人目メンバー交代:山根→鎌田

34分、バヤリッツァからの持ち上がったパスを、ダヴィがDFをかわして前を向こうとするが、ボールは奪われてしまった。
35分、右から柏・柳澤が入れてきたパスを、ゴール前で受けたポポはオフサイド。
36分、右から突破をはかった小川が山根に倒され、柏陣内右深くの好位置でFKを得る。
名古屋2人目メンバー交代:山口→吉田

37分、マギヌンの蹴ったFKのボールは大きくゴールを越えてしまう。
38分、右に開いてパスを受けた杉本のクロスは、DFに当たって右からのCKに。
39分、小川が右足で蹴り入れるが、誰もこれに触ることは出来なかった。
40分、柏陣内左深くでのFKのチャンス。小川が蹴ったボールを中央で吉田が触るが、枠を捕らえるコースへと飛ばすことは出来なかった。
41分、吉村のスルーパスに、ダヴィが抜け出す。しかし、中へと切れ込もうとしたところでスライディングを見せたDFにボールを奪われてしまう。
42分、自陣中左での柏のFK。ポポの入れてきたボールは、増川が先に反応、弾き返す。
43分、左から杉本が突破を見せると、中へと切れ込んでシュートを狙うが、これは打つ前にDFがカットしてしまった。
44分、右でパスをカットした柏・柳澤が持ち込んだところで右に叩いたボールは、バヤリッツァがしっかりとカット。

ロスタイム1、右から走り込んできた杉本からのパスを、逆サイドの小川が頭で落とす。これを受けたダヴィのシュートは柏GKの手に弾き出されてしまい、この追加点を挙げるチャンスを決めることは出来なかった。
ロスタイム2、自陣左深くでの柏のFK。ポポボールがゴールに向かってくるが、これは楢崎が落ち着いてキャッチ。

【得点】
ロスタイム3、自陣から人数を掛けて攻め上がると、最後ゴール正面に詰めていたダヴィが相手こぼれ球をしっかりと叩き込んで、正に勝利を決定付ける決勝ゴールを決め、ついに名古屋が追いすがる柏を突き放した。

そして、試合は名古屋がエース・ダヴィの2得点の活躍で久し振りの勝利を挙げ、勝ち点3をしっかりと携えて、豪州行きを決める結果となった。


試合終了後 監督記者会見

090418_sto.jpg今日はとてもオープンなゲームでした。その中で勝ち点3を獲得できて、とても意味のあるゲームでした。我々が試合に勝利した事で、嬉しい気持ちです。

Q.今日の勝因にシステム変更もあるかと思います。終盤に3バックへと変更した意図をお聞かせ下さい。

結果的にはダヴィの決勝ゴールで勝利しましたが、我々としてはリスクを冒して攻撃する必要がありました。そのため増川、バヤリッツァ、吉田という素晴らしい3人のディフェンダーを並べて我々のスペースを作りました。その事で田中を右サイドハーフに、阿部を左サイドハーフの位置へと上げる事ができたのですが、戦術的にも良い決断が出来たのではないかと思います。
今日は4-4-2という形で試合を始めましたが、試合前のミーティングでも、今日は吉村がチームにとって重要になるという話をしました。今日の彼は、前の選手と後ろの選手のつなぎ役として素晴らしいプレーを見せてくれたと思います。

Q.しばらく勝ち星から遠ざかっていましたが、今日の勝利がどういう意味を持っているとお考えでしょうか?

リーグ戦で2連敗した事で我々も不安定になっていましたし、良い気分もしませんでした。今日のゲームでは、チームがまとまってピッチの上で戦う姿勢を見せてくれました。チーム内に少し変化を持たせて試合に臨んだのですが、良いサッカーができました。勝ち点3を獲得する事だけを考え、選手もそれにしっかり反応してくれました。今日は選手が素晴らしいプレーを見せてくれ、最後まで諦めない、勝ちたいんだという気持ちが最後の結果を導いたのだと思っています。
今日の試合は、90分を通してみれば最初の10分が難しい時間帯でしたが、それ以外は我々が試合をコントロールできていたと思っています。

今日は、私の娘の18歳の誕生日です。この勝利が彼女にとってもプレゼントになると思いますし、捧げたいとも思います。